チヌ、黒鯛と呼ばれる銀色の魚体に黒い縞模様を配したこの魚。江戸の昔から現代に至るまで、磯や防波堤の上に立つ釣り人の「悩み」を次から次へと生んでいる不思議な対象魚だといえる。
チヌ、黒鯛は性転換をする魚として知られており、俗に言う二〇センチ以下の「チンチン」、三〇センチ未満の「カイズ」くらいの大きさのときはオスで、成長するにしたがって、その大半がメスとなるようである。
人間などでは、男と女、まるで思考の仕方、生活の仕方も違い、「女の気持ちはまるっきりわかんねえや・・・」と嘆いている若者が多いが、チヌの場合、将来的に自分も「女」になっていくのだから、その心配は無用なのであろう。まあ、人間の男にも成長に従って「自分の中の女」が目覚めてしまう人もいるが…。
釣り人にとって、とても魅力的で神秘的な彼女達であるが、その魅力はどこから生じているのだろうか?
狡猾で、貪欲で、ずる賢いイメージが先行する黒鯛。かといって条件が揃えば、腕が痺れてしまうほど釣れ続けてしまうことも多々ある。かといえば、そのイメージ通りに一日二〇キログラムのマキエサを撒いても、海からは何の反応もない時もある。
釣り人を惑わす悪女のような表現をされる事もある彼女達だが、そうではない。彼女達は「何よりも気高く、そして純真可憐」なのだと、私は感じている。その気高さゆえに狡猾であると勘違いされ、可憐であるから警戒心も強く、純真であるがゆえに一度警戒を解いてしまうと釣り人の罠におぼれていくのだろう。
しかし、純真さ、可憐さを卒業し、大人のレディとして釣り人の恋情を掻き立てる黒鯛もいる。「年無しチヌ」と呼ばれているレディ達だ。グラマラスで妖艶なボディは多くの釣り人を虜にする。艶やかでかつセクシーなボリューム感のある唇に心を奪われる。彼女達との逢瀬を夢に見ながら、チヌ釣り師と呼ばれるアングラーは、また海に向うのである。
当サイトでは、そんな様々な「詩」のある釣り「黒鯛釣り」それも県内人口の約25%の人が釣りをする(たまに楽しむ人を含め)という、釣り人口密度が最も高く、しかもその中でも黒鯛釣りを「至高の釣り」と捉える人が多く、数多くのチヌ釣り名人(トーナメンター含む)を輩出したヒロシマチヌフカセを徹底分析していきます。